【七五三から学ぶ——子どもたちが“自分の人生を選べる力”を育てるために】

11月15日は「七五三」でしたね。
日本の伝統行事の中でも、とくに“子どもの成長”を祝う日として知られていますね。
着物をまとい、千歳飴を手に写真を撮る──そんな光景を想像すると、
自然と心があたたかくなるものです。

でも、七五三って、ただのイベントではありません。
そこには、親が子どもの未来を願い、健康と成長を祈る深い文化が流れています。

今日は、そんな伝統から学びとして、これからの時代を生きる子どもたちに必要な
「リテラシー（読み解く力）」について、一緒に考えてみたいと思います。

七五三の本当の由来

七五三は、平安・室町の時代までさかのぼります。
当時の日本は、現代よりずっと“子どもが無事に成長する”ことが難しい時代でした。
だからこそ、3歳・5歳・7歳の節目を乗り越えられたこと自体が奇跡のような喜びだったのです。

3歳：「髪置きの儀」…髪を伸ばし始め、身体の成長を願う

5歳：「袴着の儀」…初めて袴を着て、一人前の仲間入りの象徴

7歳：「帯解きの儀」…大人の帯を結び、“自立への一歩”

昔の人々が子どもに祈ったのは、たったひとつ。
「この子が、無事にこの世を生きていけますように」
その願いは、現代に生きる私たちと何も変わりません。

でも、今の子どもたちが向き合う未来は“昔よりずっと複雑”

七五三の時代と違い、現代は“命を脅かす危険”は少なくなりました。
一方で──
生きる環境は、ものすごく複雑になっています。

物価の上昇
経済の格差
情報があふれるネット社会
AIの急速な進化
働き方の変化
家族のあり方の多様化

そして、これから迎える未来は、
「正解がひとつではない時代」。

そんな社会を生き抜くために必要なのが、
“リテラシー（読み解く力）”です。

マネー・リテラシーは、未来を自分で選ぶための“土台”になる

お金の知識は、決して“裕福になるための武器”ではありません。
こう言い換えることもできます。

マネー・リテラシーは、人生の選択肢を奪われないための力

お金がわからないと──
・不必要な借金
・詐欺に巻き込まれる
・情報に振り回される
・選択の自由が狭くなる

逆に、お金の仕組みがわかれば、
・自分の働き方
・進学の選択
・暮らし方
・夢への道筋
を主体的に選べるようになります。

七五三が祝う「自立への一歩」と、マネーリテラシーが育てる「自分で選ぶ力」は、
実はとても近い場所にあるんです。

今の時代、子どもたちに必要な“3つのリテラシー”

① マネー・リテラシー
お金の仕組み、働く意味、価値の交換。
投資や貯蓄よりもまず、「お金とは何か？」を理解すること。

② 情報リテラシー
SNS・AI時代は、“情報を疑える力”が必須。
うのみにしない。
感情で判断しない。
情報の背景を読み取る力。

③ エネルギー・リテラシー（心の扱い方）
「自分の感情がどう動いているか」
「どう整えればいいか」
心のメンテナンス力は、これからの必須スキル。

七五三の「自立の儀」は、現代では

“自分の人生を選び、自分の感情を扱い、自分の未来をデザインできる力”
へと姿を変えているのかもしれません。

親子でできる“未来のリテラシー”の育て方

1. お金の話をタブーにしない
日常の会話に、自然にお金の話を混ぜるだけで十分。

2. 選ばせる。考えさせる。
買い物の予算を渡して「何を優先する？」と考えさせる。

3. 失敗させる。そこから学ばせる。
失敗は“経験としての資産”。
守りすぎないことで、子どもは必ず強くなる。

4. 感情を言語化する練習
「なんでそれを買いたいと思った？」
「どうしてそれが必要だと思う？」
感情と言葉を結ぶ習慣は、情報に流されない心になる。

七五三は、
「ここまで育ってくれてありがとう」
「これからも共に歩いていこうね」
と、親と子の未来がそっと結び直される日でもあります。

未来はもう、“誰かが決めてくれる時代”ではありません。
だからこそ、子どもたちが
自分で選び、自分で考え、自分を信じられる力を育てていくことが、
これ以上ない贈り物になります。