【高市総裁誕生から考える、子どもたちに伝えたい“選ぶ力”】

先週、歴史が動きました。
自民党総裁選の結果、女性として初めて、高市早苗氏が自民党の新しい総裁に選ばれました。
戦後80年の節目の年に、女性リーダーが政権与党のトップに立つという出来事は、日本社会の大きな転換点として、多くの人の記憶に残ることでしょう。

テレビや新聞では「女性初」「保守の象徴」「新しい時代の幕開け」など、さまざまな言葉が飛び交いました。
けれども私たちがこの出来事から本当に受け取りたいメッセージは、「誰かを選ぶということ」「何を信じるかを自分で決めるということ」なのかもしれません。

◆ “選ぶ”という行為の重み

政治の世界では「投票」という形で、国の未来を選びます。
けれども実は、日々の生活も“選択”の連続です。
朝、どんな服を着るか。
どんな言葉を使うか。
どんな人と関わるか。
どれもが、自分の未来を形づくる小さな投票のようなもの。

そして、その“選ぶ力”は、マネーリテラシーにも深く関わっています。
お金を「どう使うか」「どこに託すか」という判断は、社会の価値観をつくることにつながります。
買う、寄付する、投資する——それはすべて、自分の信じる未来を選び取る行為なのです。

◆ 情報の波に流されず、自分で考える力

今の子どもたちは、SNSやニュース、動画など、あらゆる情報の中で生きています。
正解がたくさんあるように見えて、実はどれも断片的。
だからこそ、情報を鵜呑みにせず、「自分の頭で考える」力が求められます。

マネーリテラシー教育の本質も、実はそこにあります。
“お金の勉強”というと、計算や節約をイメージするかもしれませんが、
本当に大切なのは「価値を見抜く目」を養うこと。
これは政治でも経済でも同じで、リーダー選びと通じています。

例えば、選挙で誰かに投票するとき、
「なんとなく有名だから」「雰囲気が良さそうだから」ではなく、
その人がどんな信念を持ち、どんな社会を目指しているのかを調べてみる。
それが、未来を託す“選択力”です。
そして子どもたちにとっても、お金や時間の使い方を通して、
「どんな自分になりたいか」「どんな世界を望むか」を考えるきっかけになります。

◆ 親が見せる“選ぶ姿勢”が子どもの教科書になる

子どもたちは、親の背中をよく見ています。
お金の使い方や、ニュースへの関心、応援する人への姿勢——
どれもが、子どもの“選ぶ力”を育てる生きた教材になります。

「安いから」「流行っているから」ではなく、
「この人の考え方が素敵だから」「この活動を応援したいから」という理由でお金を使うこと。
「自分の心が動くことに投資する」姿勢を見せること。
それが、次世代のマネー教育であり、生きる力そのものです。

子どもは親の言葉よりも、行動をよく覚えています。
だからこそ、私たち大人が「選ぶ」瞬間を丁寧に生きることが、
未来への最高のギフトになるのかもしれません。

◆ 新しいリーダー、新しい時代、そして子どもたちの未来へ

高市総裁の誕生は、単に政治の話題にとどまりません。
「女性だから」「男性だから」といった枠を超え、
一人ひとりが自分の信念で生きる時代の始まりを象徴しています。

その姿は、これからの子どもたちにとっても大きな学びとなるでしょう。
人は、努力すればどんな立場にもなれる。
夢を描く自由がある。
性別や環境に関係なく、自分を信じて歩むことができる。
そんなメッセージを、私たち大人がどう受け取り、どう伝えていくかが問われています。

そしてもう一つ。
お金の世界でも、リーダーシップは問われます。
誰かが決めた仕組みに従うだけでなく、自分で考え、自分の価値観で選び取る。
「自分で稼ぎ、自分で使い、自分で還す」力を身につけた子どもは、
どんな時代でもしなやかに生き抜けるリーダーになるでしょう。

私たち大人もまた、選ぶ力を磨き続けたい。
何を買うか、誰を応援するか、どんな未来を信じるか。
その積み重ねが、子どもたちに見せる最高の“教育”です。

未来を生きる子どもたちへ——。
あなたの選択が、あなたの未来をつくる。
だからこそ、迷っても、立ち止まっても、自分を信じて選び抜いていこう。
そして、私たち大人もまた、子どもたちと一緒に未来を“選び続ける”存在でありたいと思います。