【今こそ“守り”と“攻め”のバランスを考える時代へ】

世界の経済は今、大きな転換点を迎えています。
金価格は過去最高値圏を維持し、円安は止まる気配を見せず、世界の株式市場はAI関連を中心に新たなステージへと移行しています。一方で、物価上昇や地政学的リスク、エネルギー価格の乱高下など、私たちの生活を取り巻く環境は不安定さを増しています。

このような時代において、資産形成を考える上で大切なのは「守り」と「攻め」のバランスです。
かつての日本では、“貯金をすれば安心”という考え方が当たり前でした。しかし、長引く低金利とインフレの影響により、現金の価値は時間とともに目減りしています。つまり、守っているつもりが、実は“静かに減らしている”状態になっているのです。

一方で、焦ってリスクの高いものに手を出すのも危険です。SNSやYouTubeなどを通じて「これを買えば儲かる」「今がチャンス」といった情報が溢れていますが、本質を見極めずに流されてしまうと、大切な資産を守るどころか失うことにもなりかねません。大切なのは、自分のリスク許容度を理解し、長期的な視点で“資産を育てる”考えを持って実践することです。

そのために欠かせないのが、金融リテラシーの向上です。

お金の仕組み、世界経済の動き、資産分散の考え方、税制や制度の知識——これらを学ぶことは、一見地味な努力かもしれません。しかし、この「知っているか・知らないか」の差が、10年後、20年後に大きな差となって現れます。特に今後は、AIやブロックチェーン技術の進化によって、金融の形そのものが変わっていく時代。知識をアップデートし続けることは、もはや生きるための必須スキルと言っても過言ではありません。

そして、私たちが意識すべきもう一つの視点は「次世代への継承」です。
お金を増やすことだけが目的ではなく、子どもたちに“正しいお金の使い方”と“価値ある生き方”を伝えていくこと。これこそが、真の金融リテラシー教育です。私たち大人が実践し、行動で示すことで、次の世代がより健全に豊かさを築いていくことができます。

今は不安定な時代であると同時に、チャンスにあふれた時代でもあります。
守りすぎず、攻めすぎず。
冷静に学び、知恵を持って行動する。
その一歩一歩の積み重ねが、未来の自分と、次世代の豊かな社会をつくる力となるのです。